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魔女の宅急便 その3 キキともう一人の魔女
この第三巻目を書こうと思い始めたとき、たまたま私は渋谷の町を歩いていました。道のはじに、顔を黒くやき、髪の毛をぼうぼうと逆立て、みじかいスカートをはいた女の子たちがすわりこんでいました。わたしはちょっとこわくなって、横をむきかけ、でも目をそらすことができませんでした。彼女たちの目のなかに、いらだちながらも、強く光っているものを見たのです。それははるか彼方にすぎてしまった少女時代の私にどこかでつながっていました。そして現在の私にもやっぱりつながっていると感じたのです。だれでも自分を表現したいのです。この世界に私という人は一人しかいない、その気持ちを精一杯表現している私を、自分は見てみたいのだという強い想いが伝わってきたのでした。決して自分を捨ててはいないのです。そういう季節のなかにある女の子の心の動きを三巻目では書いてみたいと思いました。
ある日、平和なキキの暮らしにケケという十二歳の女の子がずかずかと入り込んできます。この子が現れたためにキキの日常は一変してしまいます。くすりぐさはいつもと変わらずすくすくと育っているのに、キキの心は不安とおびえでうずまきます。ボーイフレンドのトンボさんもちょっと変です。パン屋さんのおソノさんだって変わってきたように思えます。黒猫のジジも巻き込まれていきます。
そしてキキにはコリコの町までもが、息苦しい所となっていきました。まるで悪い魔法をかけられたみたいです。
あやしい古い本が登場します。この女の子はいったいだれなのでしょう。魔女? それともただのよこどり屋? 私もキキになったり、ケケになったりして、二人の女の子の心のなかを飛びました。
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