魔女の宅急便
絵・林明子
(福音館書店 1500円税別)

魔女の宅急便その2
〜キキと新しい魔法
絵・広野多珂子
(福音館書店 1600円税別)

魔女の宅急便その3
〜キキともう一人の魔女〜
絵・佐竹美保
(福音館書店 1600円税別)


魔女の宅急便その4
〜キキの恋〜
絵・佐竹美保
(福音館書店 1500円税別)

最新刊
魔女の宅急便その5
〜魔法のとまり木〜
絵・佐竹美保
(福音館書店 1500円税別)


  魔女の宅急便

お母さんは魔女、おとうさんは普通の人、その間に生まれた女の子キキは、自分から魔女になるときめると、十三歳の年、満月の夜、黒猫のジジと旅立ちます。そして持っているたった一つの魔法、ほうきで飛べるという力を使って、コリコの町で宅急便を始めます。物を運び、物と一緒に物に込められた人の願いや、想いも運びます。この仕事はキキの心にも大きな贈り物を運んでくれました。心を自由にして生きていける場所を見つけたのです。

  魔女の宅急便 その2 キキの新しい魔法

コリコの町に住むことに決めた、キキは宅急便の仕事にせいをだします。いろいろなものを運びます。しっぽをライオンに噛みちぎられ中心点行方不明病にかかったカバのマルコを運びます。
重い病気にかかったおじいさんに頼まれ、おじいさんが毎日通っていた散歩を運ぶのでした。キキの仕事は順調にいっていました。でもあるときキキはふと考えます。頼まれてお届け物を運び、町のみんなに喜ばれていると思っていたけれども、もしかしたら知らず知らずのうちに人の悪意を運んでいるのかもしれない。そう思ったとき、今度はキキが中心点行方不明病にかかってしまいました。

やがてキキはもっと自分の世界を広げたいと思うようになり、おかあさんのコキリさんにくしゃみの薬に作り方をおそわることになります。

そしてキキの「魔女の宅急便」の看板の隣に、「くしゃみのお薬、おわけ致します」という看板を出すことができました。

  魔女の宅急便 その3 キキともう一人の魔女

この第三巻目を書こうと思い始めたとき、たまたま私は渋谷の町を歩いていました。道のはじに、顔を黒くやき、髪の毛をぼうぼうと逆立て、みじかいスカートをはいた女の子たちがすわりこんでいました。わたしはちょっとこわくなって、横をむきかけ、でも目をそらすことができませんでした。彼女たちの目のなかに、いらだちながらも、強く光っているものを見たのです。それははるか彼方にすぎてしまった少女時代の私にどこかでつながっていました。そして現在の私にもやっぱりつながっていると感じたのです。だれでも自分を表現したいのです。この世界に私という人は一人しかいない、その気持ちを精一杯表現している私を、自分は見てみたいのだという強い想いが伝わってきたのでした。決して自分を捨ててはいないのです。そういう季節のなかにある女の子の心の動きを三巻目では書いてみたいと思いました。

ある日、平和なキキの暮らしにケケという十二歳の女の子がずかずかと入り込んできます。この子が現れたためにキキの日常は一変してしまいます。くすりぐさはいつもと変わらずすくすくと育っているのに、キキの心は不安とおびえでうずまきます。ボーイフレンドのトンボさんもちょっと変です。パン屋さんのおソノさんだって変わってきたように思えます。黒猫のジジも巻き込まれていきます。
そしてキキにはコリコの町までもが、息苦しい所となっていきました。まるで悪い魔法をかけられたみたいです。
あやしい古い本が登場します。この女の子はいったいだれなのでしょう。魔女? それともただのよこどり屋? 私もキキになったり、ケケになったりして、二人の女の子の心のなかを飛びました。

  魔女の宅急便 その4 キキの恋

そしてまた新しい物語がはじまります。
「贈り物をあけるときのようにわくわくするわ」そういいながら、新しい町でくらしはじめたキキも十七歳になりました。
コリコの町の人たちに愛され、宅急便の仕事も、くしゃみの薬づくりも順調です。
今、キキのむねはバラ色、しかもあつくもえています。トンボさんが大、大好きになってしまったのです。
「いつも、いつもいっしょ。なんでもいっしょに決めるの」
キキの生活はトンボさん中心に動き始めます。ジジはあきれかえります。
「キキの気持ちのなかにはトンボさんまわりの寄り道が出来ちゃったんだね」
そう、あのいつも前向きなキキがどこかへいってしまったようです。わたしをじっと見ていてほしい。わたしだけを! 魔女のキキが恋の魔法にかかってしまいました。
恋って気がとおくなるほどうれしいことだけど、また足下の地面が揺れだしたかと思うほどの不安もついてきます。さて、さて・・・このキキの熱い思いはトンボさんにそのままとどくでしょうか。トンボさんはキキのこの熱い恋をどううけとめるのでしょうか。さあ、本の扉をあけて、キキといっしょに十七歳の夏の空をとんでください。

2004年2月 角野栄子


  シリーズ最新刊
魔女の宅急便 その5 魔法のとまり木

キキは、十九歳になっています。 もう十代も終わろうとしているのに、なにかものたりない毎日です。 それというのも、いちばん気がかりなトンボさんが、遠い町の学校で虫の研究に夢中になっているからです。なかなかコリコの町にも帰ってきてくれません。

ときどき手紙をくれるのですが、キキへの優しい気持ちも、いつも虫の話から始まるのです。キキはなにか物足りないのです。どこが物足りないの・・・?ってきかれても、どこって言えないのも、いらいらするところなのです。なにもかもちゅうぶらりんで、キキのきもちもちゅうぶらりんです。 キキは、ときどきたまらなくさびしくなってしまうのでした。ついついジジにもやつあたりをしてしまいます。

そんなある日、ジジの様子が変なのに、キキは気がつきます。いつも二人で話す言葉が通じません。ジジは「にゃごにゃご」というばかりです。まるで普通の猫みたい。
「ぼくにゃあ、おとなの猫言葉を勉強するんにゃあ」
こんなことをいうのです。ジジが変わってしまったわけは、恋。
キキと違う情熱的な恋が始まっていたのです。 これでは生まれたときからずっと一緒だった、キキとジジの魔女猫言葉がきえてしまうかもしれません。
キキの飛ぶ魔法もおかしくなってきました。消えてしまったというわけでもないのに、やっぱり魔法もちゅうぶらりんなのです。 二十歳を目前に、キキの心はゆれ動いています。ちょっと気になる芸術家の登場もキキの心を乱します。

人を愛するって、大変。素敵な大人になるって、やっぱり大変。  でもやがてキキとトンボさんの関係もゆっくりと動き始めます。 キキの新たな旅立ちは、どんな姿でやってくるのでしょうか。





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