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魔女の宅急便 その5 魔法のとまり木

キキは、十九歳になっています。 もう十代も終わろうとしているのに、なにかものたりない毎日です。 それというのも、いちばん気がかりなトンボさんが、遠い町の学校で虫の研究に夢中になっているからです。なかなかコリコの町にも帰ってきてくれません。

ときどき手紙をくれるのですが、キキへの優しい気持ちも、いつも虫の話から始まるのです。キキはなにか物足りないのです。どこが物足りないの・・・?ってきかれても、どこって言えないのも、いらいらするところなのです。なにもかもちゅうぶらりんで、キキのきもちもちゅうぶらりんです。 キキは、ときどきたまらなくさびしくなってしまうのでした。ついついジジにもやつあたりをしてしまいます。

そんなある日、ジジの様子が変なのに、キキは気がつきます。いつも二人で話す言葉が通じません。ジジは「にゃごにゃご」というばかりです。まるで普通の猫みたい。
「ぼくにゃあ、おとなの猫言葉を勉強するんにゃあ」
こんなことをいうのです。ジジが変わってしまったわけは、恋。
キキと違う情熱的な恋が始まっていたのです。 これでは生まれたときからずっと一緒だった、キキとジジの魔女猫言葉がきえてしまうかもしれません。
キキの飛ぶ魔法もおかしくなってきました。消えてしまったというわけでもないのに、やっぱり魔法もちゅうぶらりんなのです。 二十歳を目前に、キキの心はゆれ動いています。ちょっと気になる芸術家の登場もキキの心を乱します。

人を愛するって、大変。素敵な大人になるって、やっぱり大変。  でもやがてキキとトンボさんの関係もゆっくりと動き始めます。 キキの新たな旅立ちは、どんな姿でやってくるのでしょうか。

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